2026年8月29日・30日の2日間、横浜・関内にて「SS-F Retreat 2026」を開催しました。今年のテーマは、“From Idea Sparks to Concrete Collaborations”。
今年は、4月にオープンしたSS-F Lighthouse Labを初めてRetreatのメイン会場に。参加者の顔ぶれも広がり、SS-F Inventorsに加えて、NOVA FellowsやGlobal Science Scholars(GSS)Fellows、各研究室で活躍するEmerging Researchersも参加しました。 異なる研究分野はもちろん、世代やキャリアステージも越えた研究者たちが一堂に集まる、これまでとは少し違ったRetreatとなりました。
宿泊はBASEGATEに隣接するOMO7横浜、夜はみんなで横浜中華街へ。家族で参加したメンバーの子どもたちはワンダリアを楽しむなど、Lighthouse Labを中心に、関内や中華街も含めて横浜という街を満喫する2日間になりました。

会話の「余白」から生まれた、新しいScience
今回のRetreatで印象的だったのは、プログラムの中だけでなく、その間にある「余白」にもScienceの会話が溢れていたことです。
Lightning Science Talksでは、それぞれの研究内容に加え、今興味を持っていること、試してみたいこと、自分に足りないものを共有。 Speed DateやBrainstorm ReMixを経てお互いの研究を知っていくと、その会話はセッションが終わっても途切れませんでした。

コーヒーを飲みながら、実験機器を一緒に見ながら、中華街へ向かう途中やDinnerのテーブルでも、「その技術、自分の研究にも使えるかもしれない」「この方法と組み合わせたらどうなるだろう」「それなら、あの人とも話してみよう」と、話題が次々につながっていきます。
一つの会話に別の研究者が加わり、そこにまた違う専門性が持ち込まれる。専門外からの素朴な問いによって自分の研究を別の角度から見直したり、これまで接点のなかった研究テーマ同士に意外な共通点が見つかったりと、予定されていなかった会話から、新しい研究の問いやアイデア、コラボレーションの可能性が次々と生まれていました。
参加者からも、異なるバックグラウンドの研究者との会話から新しい視点を得られたことや、実際に次の実験や共同研究につながりそうなアイデアが見つかったことなどが、2日間を通じた印象として語られました。
完成したアイデアを持ち寄るのではなく、人と話すことで、アイデアそのものが動き始める。 そんな場面が、Lighthouse Labのあちこちで見られました。


Coffee Chat — Scienceを続けること、人とつながること
Day 1の午後、Coffee Breakの時間にはCoffee Chatを開催。京都大学の高橋淳氏、大阪大学のVivian Hwa氏、McGill UniversityのJonathan Brassard氏、SS-F代表理事の武部貴則が、コーヒーを片手にカジュアルなConversationを繰り広げました。
話題は、若手研究者がこれからキャリアを築く上での人とのつながりから、日本と海外における研究・医療環境の違い、研究データや知見の共有、そしてScienceにおけるTrustとCollaborationまで幅広く展開しました。
中でも印象的だったのは、若いうちから自分の研究室や所属機関の外にもつながりをつくっていくことの大切さ。Scienceを前に進めるためには、国や組織、研究分野といった境界を越えて人とつながり、互いの知識や経験を共有していくことが重要だというメッセージが、それぞれの経験を通じて語られました。
InventorsとEmerging Researchersが同じ空間でScienceについて語り合う今回のRetreatとも重なるConversationとなりました。


Explore New Technologies — 新しい技術との出会いから広がるアイデア
研究者同士だけでなく、新しいTechnologyとの出会いも、会話を広げるきっかけになりました。
Explore New Technologiesでは、Lighthouse LabのNikon AXR Confocal MicroscopeやBD FACSDiscover S8などの研究設備を実際に見ながら、機器の特徴や活用方法について意見交換。さらにYSAでは、DEXA(Dual-energy X-ray Absorptiometry)のデモンストレーションも行われました。
「どこまで測れるのか」「こういう研究にも使えるのか」「自分のデータと組み合わせたら何が見えるだろう」。機器を囲んで質問を交わすうちに、話は自然とそれぞれの研究へと移っていきます。
単に新しい設備を知るだけではなく、Technologyを自分のScienceに引き寄せて考えることで、これまでとは違う研究の可能性が見えてくる。 ここでも、新しいアイデアにつながる会話が生まれていました。


研究の外にある時間も、一緒に
2日目の朝には、希望者がYSAのジムでトレーニングを体験。前日から続いていたScienceの議論から少し離れ、一緒に身体を動かすところからDay 2が始まりました。
ラボで研究について話す時間だけでなく、コーヒーを飲んだり、食事をしたり、身体を動かしたりする時間を共有することで、少しずつお互いの距離も近づいていきます。そしてLighthouse Labに戻れば、前日に話しきれなかったアイデアの続きがまた始まる。Scienceの内と外を行き来しながら、人と人とのつながりが深まっていく2日間でもありました。

2日間の“Why Not?”が、一つのBoardに
Retreatを通じて生まれたのは、完成された研究計画よりも、「次に試してみたい」と思えるたくさんの問いでした。
「このアイデアと自分の研究を組み合わせたら?」「この人と一緒なら、これまでできなかったことを試せるかもしれない」。そんな会話から生まれたアイデアや次の一歩を、参加者はそれぞれの“My Why Not?” Cardに書き残していきました。



さらに、他の参加者のWhy Not?を見ながら、“I can help / I’d like to explore this with you!”、“I’m curious / I want to hear more!”とリアクション。誰か一人の問いに別の人の専門性や好奇心が重なり、そこからまた新しい会話が始まっていきました。
そして2日間の最後には、一人ひとりの問いやアイデア、それに応える仲間たちのリアクションが集まり、“My Why Not Board”が完成しました。

そこに並んでいたのは、この2日間で生まれたさまざまなScienceの種です。すぐに実験につながるものもあれば、共同研究へ発展するもの、今はまだ形が見えないものもあります。
From Idea Sparks to Concrete Collaborations.
Lighthouse Labで交わされた何気ない会話から生まれたたくさんの“Why Not?”が、これからどんなScienceへと育っていくのか。
Retreatは終わりましたが、そこで始まった会話は、まだ続いています。







