2023年8月にスタートした『SS-F インベンター・ブリッジ・プログラム(SS-F Inventor Bridge Program)』。第1期はインドよりサンダラム・アチャリヤ(Sundaram Achariya)さんの西増研究室への受け入れサポートを行い、このほど1年間の活動を終えました。
研究を加速させる人材獲得の新たな架け橋
SS-F インベンター・ブリッジ・プログラムは、多くの研究室が抱える「優秀な研究人材を迅速に確保する」という課題に対応するために設計されたものです。
日本の研究室が優秀な人材を獲得するには、フェローシップや研究費の申請手続きに1年以上かかることが、少なくありません。
このタイムラグは、競争が激しい研究分野での進展を妨げる大きな障壁となってしまうこともあります。
そこで、SS-F インベンター・ブリッジ・プログラムでは、この「空白期間」を埋めるため、いち早く人材を採用できるよう資金を支援し、研究室がスムーズに独創的な研究を進められる環境づくりを支援しました。
第1期プログラム: サンダラム・アチャリヤさんを西増研究室で受け入れ
本プログラムの第1期として、東京大学の西増研究室(研究室長 西増弘志教授)を選出し、インドのゲノム研究における代表的な研究機関であるCSIRゲノム学・統合生物学研究所(CSIR-IGIB)より、サンダラム・アチャリヤさんが研究員としての招聘を行いました。
プログラム期間中、SS-Fではアチャリヤさんへのメンターサポートを実施。メンターやエディターによるフィードバックを提供し、アチャリヤさんの研究の取り組みをサポートしました。
また、SS-FのリトリートやGALAなどのイベントでは、アチャリヤさんのご家族を含めて参加いただき、日本における新しい交流、ネットワーキングづくりをサポートしました。
第1期SS-Fインベンター・ブリッジ・プログラムの成果
1年間にわたる取り組みの中で、次のような成果を実現することができました。
迅速な研究人材の受入れ
JSPSフェローシップ以外に外国人向け奨学金がほとんどない中、サンダラムさんを迅速に受け入れることで、研究の加速を実現しました。
フェローシップ獲得のサポート
サンダラムさんがプログラム期間中にJSPSフェローシップを獲得したことで、プログラムの「橋渡し」としての役割を果たしました。
SS-F初の海外研究者受入れ実績
SS-Fとして、初めて海外研究者を受け入れる成功事例を築き、今後、さらなる海外研究者受け入れ支援拡大へのノウハウを獲得しました。
サンダラムさんからのコメント
「SS-Fの支援のおかげで、日本での研究をスムーズに始めることができました。また、リトリートやGALAといったSS-Fコミュニティのイベントを通じて、多くの方々と出会い、日本でのつながりを広げる貴重な機会を得ることができました。さらに、研究の中間報告の際には、研究内容に対する具体的で丁寧なフィードバックをいただき、より深く、多角的な視点で研究を進めるための大きな助けとなりました。」
今回のプログラムを通じて得たノウハウを活かし、SS-Fでは引き続き、多様な人材が活躍できる場を広げていきます。この取り組みを機に、多様性ある研究環境のさらなる促進や海外研究者受け入れの支援拡大を目指します。