2023年3月21日 – 22日の2日間で、SS-F Retreat(リトリート)を実施したことをご報告します。
People-centricを理念の中心に置くSS-Fが主催するRetreatは、様々な分野のステラインベンター(傑出した研究者または、コミュニティの中核となる科学者、または、アンカー研究者)が普段の研究環境から離れ、研究についての議論や意見交換、将来のプロジェクトに向けて議論を重ね、交流を通じて新しい刺激やコラボレーションのきっかけを生み出すことを目的としています。
記念すべき初回は、滋賀県にある琵琶湖湖畔で開催し、ライフサイエンス、物理学、コンピューターサイエンス、工学など、さまざまな分野のインベンターとそのご家族ともに、岡野栄之教授を筆頭とするサポーターを含め、総勢約30名での開催となりました。
初日 – 3月21日
<比叡山延暦寺>
まず比叡山延暦寺へのお参りで始まりました。
延暦寺は、785年に最澄によって日本天台宗の修業の場として創建されましたが、その後、国宝的人材育成の学問と修行の道場として発展しました。平安末期から鎌倉時代はじめにかけては、法然・栄西・親鸞・道元・日蓮といった各宗派の開祖たちが比叡山で学び、宗派に囚われない日本仏教の震源地となりました。
SS-Fは延暦寺のように、日本のトップインベンターが集い、日本の科学研究界を牽引する人材が輩出されるようなコミュニティを目指します。
<デザインシンキング・ワークショップ (1)>
その後、琵琶湖畔の琵琶湖ホテルに移動し、本セッションに移りました。
セッションはデザインシンキングやアイディエーションを中心とした、普段の研究環境とは異なる思考方法に取り組むワークショップ形式で行いました。
アイスブレイクののち、小グループに分かれ、様々な研究のキャリアステージにおけるチャレンジについて議論を重ねました。
次に、当該チャレンジを乗り越えるために、どのような拠点やコミュニティがあると良いかを検討し発表。
キャリアや分野は異なっていたとしても、共通のハードルがあることを確認し、乗り越えるためのアイディアを生むことができました。
<交流ディナー>
夜はディナーでインベンター同士の交流を促しました。ディナーでは、その日のプレゼンテーションやディスカッションで交わされた会話が続き、それぞれの分野でのアイデアや洞察を共有。リラックスした雰囲気の中で、参加者同士の交流や関係づくりが行われました。
<個別相談会>
ディナー後は個別相談会を開き、インベンター一人ひとりの取り組みや想いについて話し合いました。
相談会ではインベンター1名に対し、ビジネス経験者やサイエンスライターなど数名がつき、一人ひとりのパッションやビジョン、研究をすすめるにあたってのチャレンジについて、ディスカッションしました。
2日目 – 3月22日
<デザイン・シンキング・ワークショップ (2)>
朝食後、デザインシンキングのワークショップを実施。
インベンターはブレーンストーミングセッションに参加し、サポーターとともに小グループに分かれ、インベンターが集う拠点のコンセプトや可能性について検討しました。
大学や分野、研究領域を越えたコミュニティの重要性、研究関係者に閉じないオープンに開かれていると同時に、安心して交流ができる環境など、重要な示唆に触れることができました。
SS-F Retreatは、クリエイティビティを刺激し、コラボレーションが生まれるトリガーになりました。参加者は、異なる分野のインベンターと出会い、交流する機会を得たことに刺激を受けたとコメントをいただくことができました。また一部ではコラボレーションに関する動きが開始しています。
今後インベンターの研究に良い刺激となり、交流をきっかけに新しいアイディアが生まれることを期待しています。SS-Fとしては、Retreatを契機に、People-centrc Scienceの具現化のために、リトリートなどのイベント施策の強化、ブラッシュアップを継続し、「科学を通じて世界を前に進める」という理念の追究を行ってまいります。